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2008年11月27日 (木)

旧乾邸から旧村山龍平邸へ

A10 A11今日は阪神間の代表的なモダニズム建築ともいえる「旧乾邸」と「旧村山龍平邸」を訪れる機会に恵まれました。

左の「旧乾邸」は海運事業で財を成した乾新兵衛氏の邸宅で、建築家、渡辺節の設計によります。鉄筋コンクリート造の躯体に木造の屋根が載っています。昭和11(1936)年竣工。今回は4年ぶり2度目の訪問でした。

右の「旧村山龍平邸」は朝日新聞の創業者である、村山龍平氏の邸宅です。今日は洋館の見学で、設計は河合幾次。煉瓦造の地下と1階に木造ハーフティンバーの2階で構成されています。こちらは明治42(1909)年の竣工です。また、内装や家具はインテリアデザイナーの草分け的存在といわれる、小林義雄氏の手によります。特に今回、旧村山龍平邸の洋館は普段は非公開でもあり、家具や文房具や時計、絵画などが当時のままに置かれていました。

2邸とも時代は違えど、空間構成や装飾のディテールに至るまで、独特の空気感を醸し出しています。デザインそのものではなく、その空気感を少しでも吸収しようと感覚を出来うる限り研ぎ澄まして・・・

当時の邸宅は来客をもてなす洋館と、日常を主に過ごす和館とがあり、旧乾邸には和館は現存しておらず、旧村山邸は和館は残念ながら非公開でした。

実は・・・この旧村山邸の和館は建築家、藤井厚二によるもので、今日はこれが目当てだったのです。前に「聴竹居」を見学して以来、藤井氏の作品を他にも見てみたいという思いから、芦屋から近いこの旧村山邸を気に掛けていたのですが、たまたま今回の見学会のイベントを知り、参加したというわけです。

ですが、残念・・・見学できるのは洋館のみでした。ただ、洋館の2階奥の和室に張り出した縁側から、洋館から延びる渡り廊下と和館の全貌が見渡せた時、しばらくそこから身動きできませんでした。つい先日、5年ぶりにそこの茶室でお茶会が開かれたとのことで、保存状態はいいようです。ただ見学で公開するには、あまりにも複雑すぎて管理しきれないとのことでした。あ~でも見てみたい・・・

旧乾邸では、今回の見学会主催の神戸市教育委員会 文化財課の前田氏、旧村山龍平邸では、神戸芸術工科大学名誉教授の坂本氏、そして最後に香雪美術館では学芸員の方々に、各々ご丁寧な解説を頂きまして今回の見学会は非常に充実した時間を過ごせました。時に紅葉もまさに美しく、今日訪れた空間に漂ってきた空気の重み、時間の重なりをヒシヒシと感じながら、現場を後にしました。

そして今日は娘の5歳の誕生日。おめでとう・・・

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