「聴竹居」見学会
この聴竹居は昭和3年(1928年)竣工の当時京都大学建築学教室教授の藤井厚二の設計による自邸であり、実験住宅でもあります。率直な感想はまさに80年前でこれなん!でした。
そもそも西洋かぶれがかった日本において、風土に適応した究極の住宅をという自らの研究の一環で、ここ山崎の山地12000坪を入手し、実験住宅として建てられた5作目であり、その集大成とも言われ、唯一現存する作品でもあります。
日照や通風、そして地熱や床下、小屋裏の空気の流れをはじめ、キッチンのダストシュートなど、環境設備面においてはあらゆる書籍で有名な話でもありますが、浴室のシャワーにも驚きました。
見学人数が多かったため、空間そのものの空気感を敏感に感じ取るには集中力が必要でしたが、各室の間合いの感覚が特に心を打たれました。その絶妙な構成は感動そのものです。およそ1時間ほどでしたが、今の自分にとって非常に貴重な体験が出来ました。
尚、建物は老朽化も激しく、補修も必要になってきています。時代を超えて残すべき建築だということは誰しもが認識しているものの、実際にはいろいろと大変なようです。最近、聴竹居のサイトを立ち上げられて、予約制で見学会もされていますので、ご興味のある方は是非一度足をお運び下さい。
また、山崎には千利休の茶室「待庵」や「大山崎山荘美術館」(新館は安藤忠雄氏設計)などもあり、見所も満載です。
4年前に「待庵」を見学する機会がありましたが、その際に聴竹居もこの辺りだとは判っていたものの、誌面で見るイメージではすごく山奥にあると思い込んでいたので、今日、実際に訪れてみて、まさかこんなところにあるとは・・・という意外性もありました。まあ、待庵も駅前ですし・・・
個人的には藤井厚二の実験住宅5作すべてを体感してみたかったなあ・・・
聴竹居:http://chochikukyo.com/index.html
待庵:http://www.remus.dti.ne.jp/~masa-t/
大山崎山荘美術館:http://www.asahibeer-oyamazaki.com/
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