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2007年1月17日 (水)

近代建築の失敗

B02 「○○の幻想」という括りの章からなるこの本は、今の僕にとってはかなり刺激的で、一気に読み終えてしまいました。

ロースが装飾の否定ではなく、これまでの様式に捉われた装飾からの脱却なら、これは未だにモダニズムの呪縛から逃れられない近代建築の批判と言うよりも警鐘と感じました。

近代が近未来を夢見て、都市が開発され建築はすさまじい技術的な進歩もあって、人が感じ取ることの出来るウツワを遥かに逸脱してしまっていると日々感じています。人と建築の距離がますますかけ離れていくような、そんな感覚さえ覚えます。あの頃夢見た都市や建築は、果たして本当に人にとって良いと言えるモノだったのだろうか?或いは地球にとって、その地球上に住む生物にとって・・・

地球温暖化は進行するばかりで、日々の出来事を見渡せば人の心さえ病んでいる世の中で、子供も安心して健やかに育てることさえ難しく、何もかもが「本当にこれでいいのか?」と疑問に思うことばかりなようです。

この本に記されている数々の幻想が、このまま幻想で終わってしまうのか、近代建築は、都市計画は、失敗だったのか、それらをしっかりと見極めて、本当にイイモノを生み出していくのは、これからの世代の役目と受け止めて、次なる建築に・・・

折りしも今日、1月17日は、阪神淡路大震災から12年。永いのか早いのか、復興したのか、人の心は癒されたのか・・・まだまだあの出来事を忘れるわけにはいきません。

ただでさえ、構造的なアクロバットや超高層のタワーマンションが出没する世の中で、「本当にそれでいいのか?」と、今日も何かと疑問を抱いているのです。

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