「装飾と犯罪」
ご存知、建築家アドルフ・ロースのあまりにも有名な論集。
昨年に再販されました。昔は「装飾と罪悪」と表されていました。
僕にとっては避けては通れない本の一冊です。
ただ、昔は大判でしかも高価でした。(ような気がします。)
そして読みたい時には既に世には出回っておらず、普及版として再販されたのを知って、入手しました。
帯の建築家磯崎新氏の言葉のとおり、「装飾と犯罪」という衝撃的な表題と、ロースの代表作ロースハウスは、その時代においてまさに装飾を否定したとして、これまで記憶してきました。まんまと騙された、という感がします。
ロースは決して装飾を否定などしておらず、それまでの様式にとらわれた建築を越えて、装飾を越えようとしていたのではないかと思えてきました。新しい建築を生み出すために。
すべてを読み終えた時、現代の建築はロースの考えていたことと、さほど変わってはいないと痛感しています。
むしろメディアをにぎわしている建築には、疑問さえ抱いています。
けれど、果たして自分は、これから何を表現できるのか、何を見出せるのか、まだまだ自問自答の毎日です。
建築を知れば知るほど・・・
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